歌正ラジオ出演!

第5月曜朝10:15~

かわさきFM 79.1MHz

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イラスト●ナジ
イラスト●ナジ

物 語

姿を消した娘から届いた、一通の手紙。

「お母さん、ごめん。今あたしホーチミンにいる」

なぜ黙って出ていったの。いつ帰ってくるの。どうしてベトナムなの。

母の問いに、手紙は何も答えない。

見えない、娘の想い。見えない、娘の姿。

それでも必ず見つけてみせる。

母は、娘を追って旅に出た――。

2009年のある日、ひとりの日本人が、失踪した娘を探しにベトナムを訪れる。ベトナムで娘の消息を尋ねてまわる母親がたどり着いた場所、そこは慈厳(トゥーギエム)尼院だった。時を超えて、母と娘、そしてある一人のベトナム女性の願いが交錯する。

解 説

「月虹を探して」は、朗読ではなく演劇でもない、「語り」という手法で、人間の内面を掘り下げ「生きる」ことの苦悩と希望を描いてきた作家、高橋郁子の書き下ろし作品です。作家が求めるテーマを、実在したベトナム女性の足跡に見出し、自身がベトナムの地を訪れて生まれた物語には、五感で受けたベトナムの空気、香り、人々の生の営みが、聴く人、観る人の心に異国の風景をもたらしてくれるでしょう。

また、その言葉に血を通わせ、「生きている人」として語る二人の女優、東野醒子と山下亜矢香の表現力に、観る側は想像力を喚起され、そこにベトナムの熱気、風を感じることでしょう。

音楽は、現在おそらく日本で唯一といえるかもしれない、ベトナムの民族楽器「月琴」奏者の和田尚悟。彼こそ、10代でベトナムへ渡り、そのカルチャーショックに人生を揺さぶられた青年です。彼の体験から、この「想像力のセッション」は生まれました。