歌正ラジオ出演!

第5月曜朝10:15~

かわさきFM 79.1MHz

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2011928日(水)川崎市立聾学校(体育館)

 

五感で伝える、

ユニバーサルランゲージ

1部:手話体験とお話し

「目で聴き、心を伝える音楽」

 

講師:坂井 真由美さん 

 ろう者・CODA・聴者混合の手話バンド「こころおと」メンバー

手話通訳:岡部あさ子

 

私は聾で話す事も苦手です。相手の人が横を向いたまま話したり、こちらの目をみないで話したりすると、何を話しているのか全然分かりません。でもまっすぐ向いて、目を見て話してくれれば理解することができます。

 私は「こころおと」というバンドを10年やっています。私はデフボーカルです。ボーカルと生演奏と手話で皆に音楽を伝える活動をしています。バンドの中には聴こえる人も聴こえない人もいます。よく言われるのが、聴こえない人は音楽に興味がないのでは、ということです。でも私は音楽が好きでしたし、私の通っていた聾学校では、同級生たちの皆が歌番組をみたり、アイドルが大好きでした。皆でカラオケにも行ったりしていました。大学は健聴者と一緒の大学だったのですが、そこでも一緒にカラオケに行きました。それまでは(聾学校の頃は)イントロの入りとか、メロディとか気にせずに歌っていたのですが、そこで周りからリズムが違うんじゃない?とかメロディが違うよ、と言われて、ちょっと苦手意識を持ってしまいました。でも当時、GRAYが大好きだった私は、一番好きだったFOREVERという曲の、メロディや曲の強弱、ピアノの入る盛り上がりの部分などを知りました。初めてでした。その時に音楽をやりたい!と思ったのです。

ちょうど、知り合いで本人は健常なのですが、ご両親が聾の方がいて、生演奏の音楽を聾の人にも伝えたい、耳が聴こえなくても関係ないバンドを作ろうとしていて、誰かボーカルの人がいないかな、と言われて私がやります!と。そして10年たちました。最初は聴こえるメンバーと意志の疎通が難しかったこともありましたが、3年ぐらいして、手話のできるリーダーがいなくても、そうしたメンバーとコミュニケーションがとれるようになりました。今ではメンバーと個人的に旅行に行ったりするくらい仲良くなれました。手話を知らない人も目を見て、口を大きく開けてゆっくりと、相手に伝えたいという気持ちがあれば、コミュニケーションできるのです。

日本人は目と目を合わせなくても、横向きでも話せる文化を持った民族ですが、海外では相手の目を見て話さないことは失礼になってしまう。目を見て話さないと、誰に話しているのかわかりませんよね。

 

バンドのメンバーの女性とオーロラを見に、カナダに行きました。5日間一緒に過ごしたのですが、それができることは10年間の活動の賜物だと思います。オーロラを見るためのテントの中で、カナダのろうの人たちと一緒に過ごしたのですが、地球の向こうで出会う手話に感動しました。外国人は目を見て話すので、海外の方がオープンで目を見て話してくれるのでとても楽しく過ごせました。

 

日本人は恥ずかしがり屋が多いので、小さい頃から、相手の目を見るくせをつけてくれると、うれしいです。

 

ここで手話をちょっとしますね。

手をグーにしておじぎ。これがおはようです。

次はチョキにして自分の顔を時計だと思って、これがこんにちは。

パーを出して、合わせて暗くなるのを指で表すと、こんばんは。ありがとうはおすもうさんの手刀のような形。

正しい手話が分からなくても、ジェスチャーでも通じるので、聴こえない人に会ったら、怖がらないで目を見て話して欲しいです。そして間に手話を入れてくれると、とてもうれしいです。相手も喜ぶと思います。3つの挨拶、うれしい、楽しい。まずこの手話を覚えてください。

 

この間の震災もあり、緊急時に情報が聴こえないのが、ろうの人にとって困ることです。アナウンスや周囲の人の会話が聞こえないので、何が起こったのかわからない。

たとえば電車の中でいきなり停まった時、アナウンスが聞こえないので、通勤途中だったら会社にどのくらい遅れるのか、状況が伝えることができない。以前台風のときに、飛行場で飛行機が飛ばなくなり、欠航したことがあったのですが、いつその代わりの便が飛ぶのか、そのあとどうなるのか判らないので、困ってしまったし、不安でした。幸いその時は、聞こえる人が一緒にいたので大丈夫だったのですが。

 台風や震災があって、情報がないと何が起きているのか周りに聞かなくてはならない。その不安な気持ちの中で、尋ねた相手の人が手話をしてくれたらホッとするし、うれしい。

私は補聴器をつけていればある程度の音声は聞こえるのですが、ほんの少しの音しか聞こえない。その状況の不安さをわかって欲しいと思います。

後ろから声をかけず、正面からこわがらずに、恥ずかしがらず、目を見て口を大きくすればわかります。

私の出す声が大きいと言われる事がありますが、補聴器で自分の出す声の大きさは判ります。でもある程度大きくしゃべらないと、舌が思うように動かない。舌の動きがどうなっているのかわからない。またこそこそ話すと、音声が小さすぎて自分の声がわからないのです。

 

今、口元だけでは判りづらいので、それを助ける筆談用のコミュニケーションツールとして、書いて消せる携帯できる大きさのボードがあります。私はいつもそれを持ち歩いているのですが、普通のメモ帳でもコミュニケーションを助けるよいツールになります。